2012年5月22日火曜日

ある校長先生の最後のお仕事『学校防災』


教科指導改善 ・ 担任指導見直し ・ 授業時間数の変更 ・ 教科会の刷新 など、校長として学校改革をずっと続けてこられた方がこの前の3月に定年にてご退職されました。

このような先生が定年とはいえお辞めになっていかれるのは本当に寂しい限りなのですが、お辞めになるまでの最後のお仕事が私どもに何か示唆を与えるものでしたので、今回ブログにアップいたします。

この校長先生は、生徒のためになることであれば、学内に多少のストレスが発生しても、積極的に検討した方がいいというスタンスがとても明確だった方です。
そして、それだけでなく、それ以外の意見に対しても嫌な顔をまったくされず、積極的に受け入れるという非常に懐の深い方でもありました。

ヒューマンリンクメンバーがこの校長先生への訪問提案した際にでも、私が記憶する限りにおいては、いくらご多用でいらっしゃってもお断りになられたことは一度もありませんでした。いつも「どうぞお出でください。お気を付けてきてくださいね。」とにこやかに快くお引き受けくださいました。

このような誰からも愛されて、学校改革にも厳しくあられた先生が教員生活の集大成として、お選びになったテーマは「学校防災」でした。当然以前から学校としての対策やマニュアルはあったわけですが、それをもう一度根底から見直しをされたのです。

いつ起こってもおかしくないとされる地震(特に関東や東北では防災に対する皆様の意識は強いと感じます)、過日も被害をもたらした竜巻、それから、先日京都大学の教授が発表されたスーパーフレア(太陽フレア)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%A2の報道。大停電を起こしたりするだけでなく、重要な電子システムをも壊してしまう可能性があるとのことです。
もしこうなったら企業活動も生活もいったいどうなるの?といった感じです。

上記のようなことが毎日のように報道されたり語られたりしています。
子供のための教育改革を続けてこられた先生が取り組まれたのも「学校防災」でした。
これは何かを意味しているように思えてならないです。

学校としての細かなマニュアルも大事ですが、おこったときに絶対に守らないといけない大切なことは何か、という観点にて、「学校防災」をもう一度考えることは非常に重要なテーマなように私は今さらながら思います。これまでになかったような自然の変化を感じるのは私だけでしょうか。


そういえば、この前の日曜日に魚釣りに出かけたのですが、大潮という好条件にもかかわらず、1匹もつれませんでした。
「いつもは釣れるはずなのに何かがおかしい!!」 って、これは自分の腕の問題でした。(笑)

今日は京都で「生徒募集実践マスター講座VOL3」を開催中です!!
昨日もこの講座のVOL2を行いましたが、ご参加の先生が全員、ご感想をお聞きするアンケートで4段階の最高評価をしていただきました。口頭でも「参加して本当に良かった。学校の先生みんなに聞いてもらいたい。」と多くの先生から言っていただきました。ありがとうございます。

今週後半は東京で同じ内容を開催します。ぜひご参加ご検討ください。残席少しございます。

最後は宣伝になりすみません。
でもこうやって活動ができていること、ホント感謝です!!



2012年5月14日月曜日

生徒募集担当者の心得 『不知の知』


先日、ある私立学校の先生にお会いしました。

この方は、もともとは教員でありながら、この10年間生徒募集のリーダーを任されてこられた方です。

塾や中学校などの拠点の方々の意見を採りいれたり、入試制度を工夫したりしながら、10年以上もの間、地域での勝ち組の地位を築いてこられました。

詳しいお話をそのままご紹介することはできないのですが、この先生からお聞きした内容を自分なりにまとめたのでご紹介したいと思います。

生徒募集成果向上 第一の条件
●学業面での魅力的な特徴を学校として一つはつくる
(学業面で認められる実践をつくらなければその学校の評価は「0」であるというように厳しい視点での点検が必要である。)
(つまり、学校の評価は学業以外の分野はすべて足し算で評価がつみあがっていくが、学業に関する分野は掛け算で評価される。)
(クラブや行事や友達関係などで評価を積み上げたとしても、学業面の評価が「0」であれば、学校としての評価は「0」であると心得た方がいいということ。)

生徒募集成果向上 第二の条件
●上記の魅力的な特徴を生かした「地域にはじめての併願入試制度」をつくる。
(地方であれば公立志向が強い地域が多いですが、その公立と併願するのであれば本校受験がたいへん有利だし、上記のように学業面でもそれなりに魅力もあるし、併願校として本校を選択することがメリットあるよということがメッセージとして伝わることが大切です。
上記の入試制度は、「本命は公立でいいですよ。」というメッセージがあるわけです。といいながら、合格した人が先に入試がおわった本校で「決めてしまおうか」と思わせるような仕掛けがあるとなおベターですね。)

生徒募集成果向上 第三の条件
●塾や中学校の先生を自校の味方につける。
(塾や中学校の先生の意見を徹底的に取り入れることで実現できる。)
(味方につけるのは数多くということを意識する必要はない。)
(味方になってくれた人との深い親派度を形成することが大事である。)
(味方になってくれた人がいろいろな方面で本校の広告をしてくれるのです。)

こんな感じでございます。

先生はもともとは地歴科の先生です。長年の間、教壇に立って生徒とともに汗と涙を流してこられた方です。今でも「自分はやはり生徒と一緒になって活動するのが好きだから先生になった。」とおっしゃいます。

しかし、その子供好きの先生が10年以上前に生徒募集のリーダーとして転身されたのです。先生は、「10年以上前に受けたヒューマンリンクの研修が良かったから今があります。」とおっしゃっておられます。

が、私は、この先生の成功要因は、先生に実践力と工夫があったからだと思います。研修内容を話として理解するだけでなく、オリジナリティあふれる形につくりかえ、強力に実践していかれたのです。

先生のお言葉には、「今となっては、生徒募集活動の担当はおもしろいし、他には代えがたいものがあります。」という内容が何度もありました。募集担当を前向きに担当される方が少ない昨今で、珍しい方であられると思いました。

読者の皆様、生徒募集活動の刷新をし、そして、新しい成果を獲得してください。

具体的に何をすればいいかわからないという方もおられるかもしれません。
必要がございましたら、ヒューマンリンクメンバーにお声掛けください。
また、このようなセミナーやオープン講座もご検討ください。






2012年5月1日火曜日

『つらいことを前向きに明るく味わう』 結果はついてくる



先日は我々の常識を見事にくつがえしてくれる学校に訪問しました。
生徒募集の条件としては不利なものがそろっているにも関わらず、入学する生徒数とその学力レベルが毎年上昇しているのです。

具体的に紹介しますと、
●ここ3年間の入学者数前年対比がそれぞれ 171%(H2021 117%H2122 126%H2223現在の1年生)。
となっているのです。
毎年前年より増えているばかりか、この3年間で入学者数は倍増しているのです。

さらに驚くことには以下のようなことも実際にあります。
●オープンスクールなどのイベントに参加した生徒の約50%は、専願受験を経て入学される。
●生徒が自ら企画した「あいさつ運動」など、生徒の活動が活発であること。
●放課後に授業以外の勉強を行う「勉強部(クラブ)」があること。
●そして、その加入率が学内でNO1であること。          

ここまでの情報からはさぞ勉強熱心で模範的な生徒が集まる学校なのだろうと思ってしまいます。が、実際は、そうではありません。

H20までは入学者数がほぼ毎年減少していた
のです。
たいへん苦労してこられたのです。

●女子校。
●短大の附属校。
という条件は、現代においては最も不利ではないかと思われる条件です。

であるにもかかわらず、今年度あたりは、公立への入学はせずにこの学校を選んで入学してこられた方が多かったということです。

改革をはじめるにあたって学内の先生方でかかげられた標語があります。

「たしかに受験生や入学生が少ないから苦しい気持ちになるのもわかる。
けれども、同じ苦しむのなら、苦しみもつらさも明るく味わおうよ。」

というものでした。

この標語が掲げられてから3年、冒頭で記しましたように、見事に状況を好転させました。
生徒指導をストレスのかからない方法で取り組んでおられるのです。
上記のように、生徒がみずから「あいさつ運動」などを推進するようになったのです。

現在3年経過しているので3年と書きましたが、私が客観的に拝見している限りにおいては、上記の標語が掲げられたその瞬間が改革のスタートでありかつ最大の成果が出た瞬間だったのではないかと思っております。
改革の成果は少なくても3年は経過しないと本物かどうかはわからないと言われることがあります。
が、本当は「改革が本物かどうかは当人たちが一番わかっているもの」なのかもしれないですね。

学校訪問などご希望でしたら、ヒューマンリンクメンバーまでいつでもご連絡ください。

また、こちらもご参考ください。
学校としてのビジョンを再構築し、生徒募集につなげるためのセミナー