2016年12月29日木曜日

学年通信の役割

通常、学年通信というのは学校での生徒の活動を保護者や生徒に伝えるもの
という暗黙の了解があろうかと思います。

実際、体育祭や文化祭やその他行事についての様子を伝えるものが多いです。

しかし、先日ご講演いただいた先生はそのようにはしたくないとおっしゃっていました。

ではどのようなものなのでしょうか。

その先生が発行しておられる学年通信をみて私が感じたのは、

生徒にとってつい見逃しがち(さぼってしまいがち)であるけれど、
生徒にとって重要度の極めて高い内容(生徒本人も実は気づいている内容)を
生徒に思い起こさせるもの

でした。

例えば、

・知らないうちに投げやりになっていないか。
・日頃の生活が大事なのにさぼりがちになっていないか。
・ここ数日を振り返ったらスマホ触っている時間が大半になっていないか。
・夢をもつこと、思い出すこと、を少しおろそかにしていないか。
・やればできるという思いを行動に移すこともう一度確認しよう。
・進路を考えても高校1年生の過ごし方がとても重要であるよね。

などなどです。

そう、生徒に具体的に切り込んでいくのです。学年通信を通じて。
これでもかというぐらいにです。
生徒の気持ちを盛り上げていくのです。
そう僕たち(私たち)はこんなものじゃないよね、というメッセージを発していくのです。

このような
●活動の報告だけではなくメッセージの発信
を目的にした学年通信を多くの学校で出していただきたいと思いました。

次回は、この学年通信を発行するまでにどのような段取りを踏むと
より効果が高いのかということについて触れたいと思います。

2016年12月21日水曜日

学年通信は生徒や保護者に向けたものにしてはいけない?

先日東京で私立の先生方を対象としたセミナーを開催しました。

講演者としてお招きしました
「高校1年生の学年主任として活躍する先生」のお話をお聞きしました。

弊社の授業アンケートで突出した結果(数字)を出されただけでなく、GTZにおいても明確な成果を出しておられますので、非常に説得力がありました。

この先生、いろいろな取り組みをなされておられるのですが、今回は学年通信です。

通常、学年通信の目的は
・生徒や保護者に学校での活動(行事など)を報告したり案内すること
であろうと思います。

でもこの先生は、
「学年通信は、生徒や保護者に向けたものにはあえてしていない。」
とおっしゃります。

生徒や保護者に向けたものだとやはり活動報告のようにどうしてもなってしまうのかもしれません。

そうではなくて、高校1年生に関連する人全員に向けて発行されておられるというのです。

つまり、関連する人全員というと、高校1年の担任の先生や副担任の先生が全員含まれるということです。もっといえば、教頭先生や校長先生も含まれるのかもしれません。

通常の活動報告ではなく高校1年生の担任(副担任)はもちろん、だけなく授業担当など高校1年生に関連する全員の先生にも確認してもらいたい内容を中心にして発行されているということでした。

私は、先生に意識づけするという意味において、絶妙なお取組みだと思いました。

生徒や保護者に向けた通信という形をとりながら、実は先生方に大事なこと(指導する時に意識してほしいこと)を発信していくというわけです。

次回は、この学年通信の内容について触れたいと思います。


2016年11月21日月曜日

学校案内に教科別マニフェストを紹介

教員の励みにし、教科力・授業力をアップ!!

生徒募集も 右肩上がり↗

ご参考ください。



2016年11月18日金曜日

順序を見直す

英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)の重要性が言われています。
が、
日本語の4技能(聞く、話す、読む、書く)の重要性はあまり言われていません。
正しい順序見直しについて議論しました。
例えば、このような実践があるので、ご参考ください。

言語技術プログラム




2016年10月12日水曜日

私立中学高校対象 ルーブリックセミナー

私学としての人間力におけるルーブリックの運用。
7~9月は山口、新潟、岡山など、県の私学協会様の研修会にてご紹介してまいりました。
お聞きいただいた方からは「なぜ、これをやらなかったんだ」という反響を呼んでいます。
東京でセミナー(私学の管理職、教職員限定)を行います。

10月21日(金) 私学特別セミナー(アルカディア市ヶ谷)

よろしければご参加ご検討ください。

2016年5月30日月曜日

リーダーは必ずしもリードする必要はない

5月に入り、ご一緒させていただいている各学校の活動が活発化しております。

・ルーブリック策定などのプロジェクトが 6校
・教員キャリアの生命線ともいえる求心力を高める中堅研修が 12校
・学年会の本気のビジョンを想起し共有する担任研修が 2校
・授業アンケートや学校アンケートは 数知れず(多数)
・広報戦略講座などのセミナー(京都や東京開催)
・その他、学内研修や個別相談は随時

など、5月だけでも上記のような活動が本格化しています。

近年の学校業務の多様化にも関わらず、改善活動の手を緩めない学校が多いということに当社も励まされ、邁進しております。

今回は、上記の中の5月25日に開催しました『広報戦略実践講座』の冒頭部分(以下のリンク)をご覧ください。

以前に紹介しました中堅研修に参加されその後実際の生徒募集で説明会参加者数を前年3500名を8000名にされた先生のご感想にもありました『上司に対するリーダーシップ』について簡単ではありますが、触れております。

役職がないからということで学校経営を傍観している時代から、役職がなくても管理職から信頼され学校経営に関わっていく時代になったのかもしれません。

5月25日に開催しました『広報戦略実践講座』の冒頭部分
https://youtu.be/cP9-oAyymC8


2016年5月6日金曜日

攻撃こそ最大の防御

早いもので新年度もあっという間に5月となりました。
今年はヒューマンリンクは例年以上に忙しい年度初めとなっています。

授業アンケート・中堅教員研修・担任研修の従来からの支援活動に加え、私学の独自性を自校の教職員が改めて再認識しそれを伸ばし検証していくというプロジェクトが全国各地でスタートしています。
本日もゴールデンウィーク中ですが、関東方面の学校様と今後の進め方についての打ち合わせです。

授業アンケートは学校に存在する授業をすべて入力しないといけませんので、学校から授業時間割の情報をいただくのですが、このご時世ながら、クラス数が増えている学校が多いというのに驚いているところです。
驚きの中学校を新設した学校もあります。
(塾訪問をまったくされずにです。この情報はここではオープンにできませんので、直接弊社までお問合せください。)
約80名2クラスを完全自力で集められました。

さて、弊社も様々な業務が立て込んでいるなか、4月には東京や京都でセミナーを開催しました。

ご参加の皆様からは、
・建学の精神の具現化、見えない学力の見える化など、学校で課題となっていることへの解決の道筋を示していただけました。
・真の学ぶ力といわれる「思考力」「判断力」「表現力」、及び「主体性」「多様性」「協働性」を身につけるためには、このルーブリック評価が必要であると考えています。
・この様な力をつけるための学校の行事や授業、課外活動などをどのように行うか考える指標にもなると思います。
などたくさんのご感想をいただきました。

ご参考までに以下のセミナー動画をご覧ください。

私学の独自性を学力向上と募集広報につなげるセミナー(東京4月22日)

東京では6月に少しテーマは変わりますが、私学力を高めるセミナーを開催します。
セミナーご案内はファックスでお送りしております。
ご関心おありの方は弊社までお問合せください。


2016年4月6日水曜日

儀式で教職員全員の認識を変える

春本番という感じでしょうか。
京都は桜が満開です。
海外からの観光のみなさんもしみいるように日本の桜をご覧になっているのが印象的です。
我々にとっては桜は毎年の当たり前ですが、海外の人にとってはこれはとても貴重な体験なのかもしれません。

そして学校も始まりましたね。
色々な学校に用事があり、お電話させていただきますが、なかには
4日に入学式をしている学校もありました。
早いですね。他校よりも一足先にスタートを切ろうというお考えなのかもしれません。
一足先んじるという発想はたいへんいいですね。
この年度を喜んで迎えるという姿勢につながり今後の学校生活も前向きになるのだろうと私は想像しました。

そして、弊社はある学校の全学園職員会議に参加してまいりました。
高校単独の学校でなく、大学もある色々な校種がある総合学園です。
合同職員会議なので出席者はおよそ150名の教職員。
壮観で、気持ちが引き締まります。

最近はこのように年度のスタートを良い形で切りたいと
学校独自の工夫をされるところが増えてきたように思います。

一方で、
人事面などの調整に手を焼いている学校があるのも事実です。
年度変わりはいろいろな事情がありますので、教務の先生を中心にその対応は大変だと思います。

ただ、これらのことで私が思いましたのは、
このほんのちょっとした気配りで教員の士気は大いに変わるのではないか、ということです。

ばたばたと年度を迎える学校は日常的な忙しさが学校に伝染する普通と変わらない新年度を迎えることになります。

一方、工夫される学校は特別な年度を迎えることになると思うのです。


最近は前からこのブログで述べておりますが、私学独自のルーブリック策定に取り組む学校が多いですが、先述の職員会議に参加させていただいた学校では、

●プロジェクトメンバーとなる教員の任命式

を執り行われたのです。

学園の教職員全員150名の前で、
重要な役割(ルーブリック策定)が
1人1人の教員に任命されるというわけです。

こうすることで学園が考える重要なプロジェクトであることが全教職員に認知されました。

このように形を整えて任命式が挙行されるという儀式は
大事な取り組みにおいてはどの学校ももっと検討してもいいのではないか
と考えさせられました。

みなさんはどのような新年度をお迎えになられたでしょうか。

2016年4月1日金曜日

リスタートの継続

弊社の中堅教員研修会(年間8回プログラム)のオープン講座がいよいよ4月16日の岡山会場を皮切りにスタートします。
今年は新しく参加される学校が多くどのような研修会になるか、どのような先生との出会いがあるか、今から楽しみです。
今回は弊社の中堅教員研修会(年間8回プログラム)を終了された先生へのインタビューを紹介します。

***

やわらかな物腰で名刺を差し出されるE先生は、平成23年度の中堅教員研修を受講~終了されました。そして、目に見えた生徒募集の成果を学校にもたらされたのです。40代前半で、社会がご担当ですが入試を主な業務とされます。陸上の投擲が専門です。

○教員になったきっかけを教えてください。
教員になったきっかけは高校、大学とハンマー投げをして、指導したいと思ったからです。

○印象に残っている先輩の教えは何ですか?
・生徒を育てる上で大事なのは、難しいことをいうのでなく同じ時間を共有すること。
・すると信頼関係ができる
・ときどき顏を出して言っても、表面上は聞くが心には入らない。
・生徒を指導するということは時間で区切れるものでない。
・勤務時間を超えても付き合う必要がある。
そうしたことを先輩の姿を見て学びました。

○現在に至るまでの出来ごととモチベーションを振りかえっていただけますか。
20代は高体連にも関わるほど部活中心でしたが、30代になり「このままでいいのか」と思うようになりました。高体連で顔を合わせる先生から他校の話を聞いたり、入試に関わり外を見ることも多くなり、「なんとかしなければいけない」という思いは強くなる一方でした。しかし、どうしたらいいかわからないし、力もない。そんなもどかしさを感じていました。

○中堅教員研修に参加した際の状況はどのようなものでしたか。
現校長と話しながら、手探りですが少しずつしなければいけないと思っていたことを進めていました。そんな折、ヒューマンリンクの生徒募集マスター講座に行きました。自校の状況を点数化してみると本校の点数は一桁。
講師の稲葉さんから「卑下し過ぎでしょう」と言われましたが、他校との差は歴然だったのです。
同時期に校長も校長研修を受けました。お互いに研修の感想を述べ合うと、「良かった」と声を合わせました。これは多くの先生に受けてもらう必要があるということで、まずは自分達から中堅教員研修を受けることとなりました。生徒募集マスター講座を受けていたので研修自体に興味はあったのですが、部活、クラス、入試広報と仕事が山積みの中でやっていけるかという不安はありました。

○研修で印象に残っている講座は何ですか?
上司に対するリーダーシップ」という言葉にはハッとさせられました。その感覚はなかったからです。
「そういうものか、やらないといけないことを通すためには」、と気づきました。

○部門活動計画の達成状況をお聞かせください。
部門活動計画のテーマは入試対策です。
計画の内容は次の通りです。
『学校説明会参加者3500名を5000名にする』
『オープンスクール参加者354名を400名にする』
『受験者1800名を2000名にする』という目標を立てました。

その結果は、
説明会参加者8000名で、目標の5000名を3000名超えました。1年前の3500名からは+4500名増えたのです。
そして、オープンスクール参加者400名は目標の400名をジャストで達成。
受験者は2300名で、目標より300名超を達成しました。

特に説明会参加者が4500名も増えたのには驚きました。

本校ファンの中学校も増え、単願者も160名を200名にするという目標に対し、216名と達成しました。また、個人的に実現したかった投擲選手の確保もでき、関東大会を狙える生徒も育っています。

このように、E先生は研修内容を活かして生徒募集活動を次々に変えて行くのですが、その過程は決して順調だったわけではありません。

・表面的には賛成しても動いてくれない先生
・入試広報に必要な予算の折衝
・業務の集中
・組織化されていない入試対策室のマネジメント
・改革の必要性を感じず諦めが強くてモチベーションの低い教員
など。

計画を立てた時に予想したことが次々にE先生の前に立ちはだかります。
どれも、人をどう動かすかの問題にいきつくことでした。何ができるのか、何をしないといけないのか、それは「ぶつかりながらもやらなければいけない、ここで引いてはいけないという意識」だとおっしゃいます。「学校全体を考えればこれだけは譲れない」という思いでE先生は前に進みます。私心でなく、生徒や学校全体のことを考えるからこそ、向かい風に負けることなく踏ん張れる。人をどう動かすかという問題を乗り越えるためにできることは何か、それはコミュニケーションを図ることにつきます。よく言われる言葉ですが、諦めずに粘り強く対話を続け物事を進めること、その踏ん張りを誰かが見て、次第に人が付いてきてくれること、そうした希望をE先生のお話は物語っています。

今大事にしたい研修当時の気持ちは、
・学校改革を推進し、在校生、卒業生、教職員のあらゆる関係者が高いロイヤリティ(愛校心)をもてる学校にすること
・メンバーや管理職とのコミュニケーションを大切にしながら、自らのスキルアップも心がけ、意見交換の難しい本校の土壌を改革する、円満に改革が推進できる環境を整備する
・目標を共有するメンバーを拡大する
ことだとおっしゃいます。

教員物語でいえば第3章、これまでは若さで突っ走ってきましたが、ここからまたスタートという意味を込めて、タイトルは「リスタートを継続する」です。

(弊社講師 稲葉からのコメント)
E先生は安心して仕事を任せられる方だなという印象でした。前述の石川先生のようなムードメーカーのような言動はされませんが、実直にかつ真摯に仕事に取り組むという姿勢が研修の中でも他校の先生方に良い影響を与えておられました。
とかく力のある先生は新しい概念や手法と直面した際、自分の基準に照らし合わせてふるいにかけることが多いのですが、E先生は、まず自分の中に取り込み、自分の言葉や考えに置き換え、少しでも良い物を作りだそうという姿勢が随所に見られました。今後はより大きな領域やテーマを担当されるようになるでしょうが、是非、周囲の手本となるリーダー教員を目指してほしいと思います。

E先生へのインタビューを紹介しましたが、学校という組織ならば状況は同じようなものがあろうかと思われます。今回の記事をご参考、及び、先生ご自身の励みとしていただけると弊社としてもうれしいです。

中堅研修ご案内
担任研修ご案内

2016年3月25日金曜日

学年団全員で担任研修をやろう

少し気が早いですが、
各学校にて実施されるヒューマンリンク型の『担任研修』が始まりました。

新年度に向けて担任研修をやるには最適な時期です。
この担任研修はいろいろな形態をとることができますが、効果の高いものとして、

●学年団全員が研修を受講する
というものがあります。

学年主任も副主任も含めて全員が研修に参加します。

講義・グループワーク・個人ワークを通じて、
「個人としての気づき」
「自己開示から生まれる充足感」
などが研修の満足感につながっていると思われます。

とくに
「自分の本当の部分を表明し、これから学年をともにする他の教員に真剣に聞いてもらえた。」
という体験は教員にとってはとても新鮮なようです。

やはり先生方皆さんは子供たちに
「こういうことをやってあげたい。」
「こういうことができるようになってもらえたらな。」
という純粋な思いを胸に秘めておられるということがよくわかります。

貴校でも「教員が自分のことを見つめなおす」という機会を
定期的に設定されることを提案します。
良い機会になること間違いないと思います。

ご参考に、弊社のこの『担任研修』で使っている
「クラス満足度と相関の高い言動因子に基づくセルフチェックシート」

をご覧ください。

とくに、6の
「一人一人の生徒の成功(部活動や学習活動での成果)を非常に嬉しそうに喜んでいる」
というチェック項目などは耳の痛い先生が多いのではないでしょうか(笑)。

ほんのちょっとした見直しですごくいい学年会になります。

●気持ちよく日常を過ごし、かつ、必要な目標をクリアする

そういう学年会を毎年つくりたいものですね。

2016年3月24日木曜日

大切なのは気持ちや発想の持ちよう

「中学3年生や高校1年生の時点で、大学入試の合否がすでに決まっている?」

高校1年生の模試の結果と大学入試の結果に相関関係があるというお話を聞きます。
センター試験で8割だった生徒の高校1年生の時の模試結果を見ると、大半の生徒は○○という模試で□□という基準を超えていた。

反対に、
○○という模試で□□という基準を下回っていた生徒の大半はセンター試験で8割を下回っていた。
このような内容です。

つまり、この話が真実ならば、
●高校1年生の時点で、大学入試の合否がすでに決まっている。
ということになります。

なんだ、やはりできる生徒は最初からできるのか、と少しなげやりになりそうな内容です。

でも発想を転換してみると、
●高校1年生までの基礎内容を自分のものにすれば希望が現実になる
ということになります。

「高校1年生までの基礎内容」が鍵を握るならばそこに注力しよう、ということで具体的な対策を講じやすくなると考えます。

ただ少し残念なのは、
「ならば高校1年生の終了までに○○という模試で□□という基準をとらせるような対策を学校全体で真摯に考えて、必要なら授業のあり方を抜本的に変えていこう。」
という学校が非常に少ないということです。

高校1年生までの履修内容はそれ以降の内容と比較するとその教科の基本となっていることが多いです。
例えば、数学Ⅰは高校1年生、数学ⅡBや数学Ⅲは高校2・3年生、のように、数学Ⅰは数学における基本であると考えられます。
だから、その気になればなんとかなるという内容なのです。

実際は学校の授業カリキュラムを大幅に変えてこのことに対応している事例は非常にまれです。

しかしこのようなことが明白なので、学校に頼らずとも、個人でその気になればいくらでもできるということです。

私はもちろん社会人になって久しいですが、今からなんて遅いとあきらめず、今からでも何か一つでも巻き返ししたいなと考えている今日このごろです。

(学校の先生方へ)
今回は模試を例にしましたが、『学内で作成された実力テスト』でもバロメーター的な役割を果たすことができます。
学力を伸ばす対策として、ご検討いただくといいかもしれません。

2016年3月7日月曜日

生徒を伸ばす生徒カルテとは(学年会からの学校改革セミナーより)

3月4日に広島で行われたセミナーは反響も大きく無事に終了いたしました。

印象に残ったセミナーご参加者のご感想として
「学年会の定義が自分とは違っていて驚いた。」
というものがありました。

セミナー終了してからも、
「学校の今後の構想」などをお話いただいたり、

新しいアイデアによる
次へのステップを
イメージされた先生方が多かったのではないか
と思われます。

そのセミナーより抜粋動画を以下ご紹介します。
『生徒個人カルテ』の有用性や実際の使い方を紹介していますので、ご参考ください。


担任力診断チェックシート-A(教員個人用)
教員の皆様からも、これを使ってどんな感触だったかなど、ご感想などいただけるとうれしいです。


2016年3月4日金曜日

学年会からの学校改革


近年特に、若い教員の中でクラス担任の力量が思ったほど高まらないことがあるという声をお聞きすることが多くなりました。

力量が高まらない責任をその『教員本人』に帰するように考えるのが普通だと思います。
教員個人に任せると案外『改善の限界』が大きくなりません。

3月4日の広島のセミナーでは、力量が高まらない責任を教員個人ではなく『学年会』というグループ(チーム)に帰すると考えて、『学年会の在り方と機能』をどうすればいいかの考察を深めました。





2016年2月29日月曜日

ICTが学習時間の救世主?

中学・高校生の授業外での学習時間が少ない。というお話を各方面で聞きます。
小学生→中学生→高校生、と学習難易度が上がるので、学習時間も比例して増えるのではないかと思われるのですが、実態はその反対にあるようです。
そのような中、学習時間を過去よりも大幅に確保できるようになり、学力も相当に伸びているという学校のお話をお聞きしました。
・赤点をとる生徒はほとんどOに近づいた。
・全体の平均点も大幅に上昇した。
・偏差値も特定の生徒だけでなく、全体的に上昇した。
ということでした。

それの秘訣はICT機器の活用とおっしゃるのです。
具体的には
・学習システムを利用し、生徒は自力で学習します。
・さらには、その学習状況を先生が定期的に確認します。
・学習状況が至らないと早めにフォローする体制がとられています。
などの実践です。

このお話をお聞きして私が思いましたのは、
上記のやり方で
・学習しない習慣がついてしまった生徒を
・ストレスなく自然と学習する習慣に変えてしまう
ということが実現しているから成功されているということでした。

学習に向かわせるシステム と
それを習慣化するための先生の確認・フォロー体制

という2つがそろったわけです。

過去にも自習ノートを提出してもらい、先生がチェックするということをしていた時代があったかと思います。
もちろんこれで十分なわけです。

が、
・ノートを提出してもらう作業
・誰が提出していないかを確認する作業
・催促する労力
などに時間がかかりすぎてしまう点がデメリットだろうと思われます。

ICTを使うとこの時間を要した3つがシンプルに素早くできますね。

そして、フォローを適切にすれば生徒の学習へのモチベーションも高まることが容易に想像できます。

このようにアクティブラーニングするなら、複雑なことをいろいろとやるというよりも、学力が伸びることがストーリーとしてえがくことができるシンプルな取り組みをやりたいですね。



2016年2月22日月曜日

2016 2 17 ルーブリックセミナー東京 映像①


セミナーの様子を少しでも知りたいなどご要望をいくつかいただきましたので、2月17日に行いましたセミナーの冒頭の部分をこちらにアップいたします。

セミナータイトル; ルーブリックによる学校改革
サブタイトル; 新しい学力観への移行を自校の好機と捉え、これまで学内で蓄積してきた多くの教育活動を独自の価値ある教育プログラムへと昇華させる。それが「ルーブリックプロジェクト」の目的です。

他のテーマに比較し反響(ご質問・ご相談・学校視察依頼など)が大きかったです。

過去投稿の宝が今眠りから覚めるとき

にありましたが、学校が培ってきた価値ある教育内容を世に示すときがきた感じがしています。

今日は、京都でセミナーを開催しています。



2016年2月17日水曜日

教育の「見える化」ルーブリック




・新学力に関する教育プログラム
・ゆとり教育は何故、失敗したとみなされたのか
・主体性、思考力、協働性を育てるには
・ルーブリックのサンプルと事例

などなどをテーマにセミナーを行っています。

九州や東北などからもご参加いただいて関心の高さがうかがえます。

またご関心ございましたらいつでもご連絡ください。



2016年2月16日火曜日

生徒は本当はみえないところで成長している?

今年度を締めくくるルーブリック調査が各校で始まりました。
これは定期テストや模擬テストなどには表れない人間的成長まで含めた成長を測定する目的で行います。

以前の記事
正しさよりも共感できるテーマ
http://bloghumanlink.blogspot.jp/2015/03/blog-post_10.html
でも書きましたが、
「生徒にしてあげたいこと」や「生徒が卒業時になっていてほしい姿」などをテーマにした先生方同同志の話し合いは終わりがありません。
そして、先生方が共感できるテーマが特定されると調査を早くしてみたいという気持ちになるようです。

そのようにして作成されたルーブリックマトリックスに基づく調査には、
先生方の先生として『純粋な思い』が込められているように感じます。
本来は多くの先生が持っているであろう『純粋な思い』を体現している先生は今どれぐらいおられるのでしょうか。

文科省から要求される内容は時として揺れることもあります。
その都度左右されていると私学として少し大変です。
そうでなくて、
私学としての『揺るぎない指針を具体的に表現』し、それに向かって実践~邁進するときかもしれません。
そうなると先生方の教育に向かう姿勢(スタンス)にこれまでとは異なる自信がみなぎる感じがします。

よろしければ私学経営セミナーなどに足を延ばしていただきご参考ください。
ヒューマンリンクの公式ホームページ
http://www.humanlink.info/


2016年2月12日金曜日

ついつい油断 学力につながる授業 貴校の全国水準は?

一見しては見えないものに精力を注ぐことが大切かもしれません。

授業アンケートをいろいろな学校で担当させていただきますが、弊社算出の指標で学力向上がマイナス評価の先生の数で、授業力や学校力が歴然とわかります。

1つの教科に13~15名ぐらいの教員がおられたときに、学力が伸びる授業に取り組んでいる学校(教科)は、マイナス評価の先生はおられないことが多いです。マイナス評価の先生の数は0です。
反対に学校(教科)として取り組んでいない学校は、4~6名ぐらいになります。
これだけおられれば、どれだけの授業が学力向上にあまり機能していないかがわかります。

生徒の満足度・不満度、授業内容が学力向上にどれだけ影響を与えているかは、一見してはみえないものなのです。
校門や受付が清掃されていない、あるいは、生徒の素行(マナー)がひどい、などは見えるので、これはすぐに学校評価につながってきます。
直さなければという意識になり、改善が進みやすい側面があります。

が、先ほどの見えない領域は後回しになりやすい側面があります。
気が付いたら簡単には取り返しのつかないことになっている場合もあります。

アクティブラーニングの要素を取り入れた授業を展開する学校も増えてきました。
新しい授業展開をしているならなおさら学力につながっているかの検証は必要でしょう。

見えないものに精力を注いで生徒や社会に還元するという日本の学校ならすべての学校が本来持ち合わせていることにもう一度真摯に向き合ってみるという時節なのかもしれません。


2016年2月9日火曜日

高校生にもなるとあまり家庭学習しないのが普通?

全国各地の私立中高の募集状況が報道されています。
今年も厳しさが増しているようです。
気になるのは人気がない学校が回復の糸口を見出していないように見える点です。
人気が出る学校とそうでない学校のカギとなるものは何かを考えていたちょうどそのとき、

「本校の今の様子は、自学するのが当たり前、しない生徒は浮いてしまう雰囲気がある。」
という学校にお会いしました。
以前からよく知っている学校ですので、3年前はそのような雰囲気ではなかったので、驚きました。
何がよかったのでしょうか。

もちろんいろいろと要因はあろうかと思いますが、
●この学校様はいい学校にしようということに強いこだわりを持ち続けている
という点に着目しました。

いい学校とはどんな学校かという定義はいろいろな見解があってたいへん重要なことですが、定義が定まらないことを理由に変わることを躊躇する学校がとても多いのが実情です。

一方人気のある学校は
●ニーズを積極的にとらえて他校の慎重姿勢を傍目に自ら変わっていく
という特徴があります。

目標とする「いい学校像」に異議を唱える方もおられたとしても、本校は「この方向でいい学校にする!!」という意識は他の学校よりも圧倒的に強いということを感じていました。

これが功を奏したのだと思われます。
国公立合格は1年で100名を軽く超えました。
厳しい生徒募集も反転攻勢に出ました。

前回記事にとりあげた先生のお言葉で、
『常に理解をしてもらうための言動をする』
『どれだけできるかわからないが全人格をもって戦う覚悟』
『必ず成果が現れると信じ行動する』
『生徒のために大切なことはどっちだ、という価値観がブレることなく行動する』
という箇所がありました。

このような先生がどれだけ学校に存在するかで今後の学校の行方を左右するのかもしれません。

2016年2月8日月曜日

『笑顔を絶やさない』で求心力を高める

弊社の中堅教員研修会(年間8回プログラム)を終了された先生は累計で1000名近くになりました。今回は研修修了生であるD先生へのインタビューを紹介します。前回からの続き(インタビュー後半)です。

○研修で印象に残っている講座などはありますか?
「組織をどうして行くかということについてどこかで勉強できたらと思っていたので、2講や3講のPDCAや『○○○○へのリーダーシップ』は印象的でした。それまでは組織の長というのは、経験を積んでクラスをもっていない長老の先生方がやり、こちらはコマとして動けばいい、くらいにしか思っていなかった。自分の意識や行動で組織を変えていく意識を持つようになった。そして、ケーススタディはまさに自分の学校のことと思うようなことが多く、とても焦りを感じることが多かった。一緒に研修を受けていた他校では、明確なビジョンの下、生徒の為の組織運営がなされており、教員一人一人がキラキラ仕事をしているという話を聞いて羨ましく思いました。」

○部門活動計画の達成状況について教えてください。
「部門活動計画ではコースについてロイヤリティのアップ、仲間を増やすことをテーマにしました。『改革の意識を共有する教員を6名から15名にする』、『新カリキュラム運用計画の検討』などを目標としましたが、これらは実現しました。孤軍奮闘だった昔と比べ、理解し一緒に走ってくれる仲間が増えました。新カリキュラムについては、アンケートをとったりかなり準備したにも関わらず、学内ではあまり反応がなかったなどと悔しい思いもしましたが、言うべきことは言えました。」
「『教員の研修、勉強会を月に一回する』という行動目標も、自分たちが企画する際にタスクブレイクダウン(*)をしたり、担任研修を企画したりと実現しています。総合学習における進路指導やロングホームルームの企画などもできました。」
「阻害要因(*)として、『学校全体の改革の動きをどう作るか』、『担当者に任せ切りでいい加減な状態を若手が真似している』などを挙げましたが、その解除方法(*)として『常に理解をしてもらうための言動をする』、『どれだけできるかわからないが全人格をもって戦う覚悟』、『必ず成果が現れると信じ行動する』、『生徒のために大切なことはどっちだ、という価値観がブレることなく行動する』ということを貫きました。」

D先生は、こうした取り組みにより、学校が少しずつ変わってきたとおっしゃいます。今は、あれもこれもしたいが全部はできないという少し中途半端な状態になっていることがもどかしいとおっしゃいます。

実現したいテーマとして、「この学校で学んで良かったと言える学校を作りたい」、「仲間を増やして改善改革に向けて実際に行動する真に実践するチームにする」、「笑顔を絶やさない」を決意されています。そんなD先生の物語は今は第3章、タイトルは「 リーダーとは忍ぶこと」とつけました。

*タスクブレイクダウン 取り組みの狙いやゴールイメージを明確にし、ゴールを達成するために必要な業務に分解し、それのプランニングを行うもの。特に、新規PJや新規行事にとりかかるときに有効な手法。中堅教員研修会の第2・3講で取り扱う。
*阻害要因 ゴールイメージを実現させるにあたって予想される障害や制限や抵抗風土など。
*解除方法 上記の阻害要因を解除する方法を事前にプランニングするというもの。中堅研修第7・8講で取り扱う。


2016年2月5日金曜日

喜んで行うニーズ対応が結果をわける

弊社の中堅教員研修会(年間8回プログラム)を終了された先生は累計で1000名近くになりました。先日もその中のお一人の先生から「今年の生徒募集も好調です。やはり学校の中身の整備で、他校よりも少し秀でていることが大きいと思います。少し秀でているだけで注目度がちがうのですよ。」とお話をいただきました。
この先生は学校の機運を盛り上げ、他校では敬遠されるような新しいプランニングを学校として意思決定させていきます。すなわち社内のニーズにいち早く対応するという『学校としての柔軟性』を生んでいるわけです。この先生のお話を聞いていて改めて感じることは、教員集団の「だれか」が学校をよくすることに主体的に関わることはやはり重要である、ということです。管理職であっても一般教員であっても誰でもいいのです。だれかが主体的に関わるとこれほど変わるのかということを示してくれています。
今回は弊社の中堅教員研修会(年間8回プログラム)を終了された先生へのインタビューを紹介します。

***

日に焼けた笑顔が印象的なD先生は、平成23年度の中堅教員研修を受けてこれからの活躍が期待される先生の一人です。校長先生から「D先生の授業は自分も生徒として受けてみたい」と言われるほど、人間として魅力あふれる、生徒の心の機微に触れる、そんな国語の授業をされています。分掌は教務主任、ソフトテニス部の顧問です。42歳で、一緒に改革を担うE先生とは年が一つ違うけれども誕生日が一緒ということも運命を感じます。

○教員になったきっかけを教えてください。
「高校時代、こういう風にはなるまい、というような大人と出会うこともありました。父親が高等学校の先生をしていましたが、教員を志したのは高校3年になってからです。」

○先輩教員からの教えで覚えていることはありますか。
「初任時代も、これではダメだと問題意識を持っていました。『授業や担任は子どもを中心に考えないといけない』『仲間を守ってやらないといけない』、そうしたことを考えていました。」

○現在に至るまでの出来ごととモチベーションの推移を教えてください。
「平成6年に非常勤で入り、7年から専任、最初は気持ちも上がりました。30代になり結婚をし、子どもができると自分の生活のことが心と体の中で大きくなってきました。20代で描いていた理想が通用しない、そうした壁にぶつかり気持ちが下がりました。しかし、入試広報の仕事で外を回ると、他の学校に比べ改善すべき点がある、と感じました。そこでまた、『学校をなんとかしないといけない』という気持ちが芽生えました。」

○中堅教員研修に参加した当時の状況や気持ちはどうでしたか?
「それまで入試をやっていた先生が教頭となり、自分とE先生を含めた5,6人で入試検討委員会に関わりました。このときは、『思いを語り合える仲間がいる』、という気持ちになり、次々アイディアが出て盛り上がりました。そこで、日本社会らしい、伝統と官僚制、すなわち、自分たちの意見が上司に伝わらないというか、目の前に壁が立ちはだかりました。せっかく新しい動きが出たのに、なぜうまくいかないのだ、という中で中堅教員研修を受けました。」
「研修を受けた頃はとにかくやるぞという気持ちがある一方で、毎日忙しかったので面倒くさいという気持ちもありました。入試の仕事や研修でホームルームに出られず、次の日に生徒と顔合わせた時、どこかで生徒と気持ちが離れた感じがするのも嫌だった。しかし、参加したら周りの学校の状況もわかってきます。30代になったときに生じた『世の中こんなもん』という気持ちではもったいない、と思うようになりました。後輩も頑張ってくれるということでモチベーションも高まりました。」

インタビュー前半は、研修参加当初の率直なお気持ちが語られています。
やはりお忙しいさなかの研修参加は負担に感じる部分もあったようですね。

次回はインタビュー後半を紹介させていただきます。