2013年1月16日水曜日

大阪での授業アンケート

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以下は、本日1月16日の内容です。

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今日の関西圏のいくつかの朝刊では、大阪での授業アンケート導入の再検討または中止に関する要望書が市民団体から提出されたことが記事になっていました。

「授業アンケートをする前に、教材研究がしっかりできる環境を整備すべき」という意見には個人的には賛成です。

しかし、要望書にあるように
「▽教員が自分の評価項目ばかりに目がいき、子どもに寄り添った指導や教員間の連携がおろそかになっていく」
「▽生徒が教員への「嫌がらせ」などとして活用する」
「▽児童生徒の名前を明記するため不利益を被る不安がある」
といった点については、実際に授業アンケート処理を代行している立場から言うと、必ずしもそうはならないと感じます。これらは、あまりにも生徒への信頼を欠いた意見、もしくは専門家としての教師を貶める意見ではないかとさえ思います。

一方で、府教委が示した回答にも注意が必要です。それは、
「▽校長が児童生徒らの受け止め方を知る手段の一つとして活用し、評価に直結しない」
「▽課題のある教員を把握した場合は、校長らが授業観察や面談をし、年間の成長なども考慮しながら評価する」:
「▽アンケート用紙は校長ら管理職しか見られないよう扱う」
というものでした。これらは至極まっとうな回答であると思います。では、なぜこうした回答で満足が得られなかったのでしょうか。それは、一言でいえば、信頼されていない、ということでしょう。別の言い方をすれば、ステップをまちがった、ということです。
端的に言えば、先に大きな抵抗を経ての教員評価の導入がありました。運営上の矛盾も充分には解決されていないのではないでしょうか。そうした状況の中で、今回の授業アンケート導入の話がでてきました。誰もが、授業アンケートは教員評価と結びつくと考えるでしょう。

アメリカでは、生徒の成績の伸びと連動した教員評価の導入を連邦政府や財団が進めようとしています。しかし、そこにある様々な矛盾点がすぐに指摘されています。これは、授業アンケートや授業観察といった様々なデータを用いても完全には解消しないでしょう。

では、アンケートや授業観察は意味のないことなのでしょうか。違うと思います。それは、教師が専門家として自身の実践を省察し、他の教師と協働してより良い実践を志向する際、貴重な材料となるものだと考えます。

「授業評価がやってくる」と、恐怖心を持って迎えられた5年前とあまり状況は変わっていないとすれば、私たちにできることは何か、と考えさせられる記事でした。

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