2018年6月22日金曜日

4技能対応の学校差で思うこと

最近つくづく実感することに、社会からの要請に対応するスピードのはやい学校とそうでない学校があるということがあります。

近年急に要請が大きくなったものの一つに、『英語の4技能』があります。

これへの対応はやはり学校によって大きな差になってきていると感じます。

日本をこよなく愛すネイティブの先生と日本人の英語教員がタッグを組み、本当に使える英語を養うカリキュラムを作り上げた学校もあれば、かたやネイティブの先生はほとんど学校におられず形見の狭い思いをされている学校もあります。

対応が遅くなる理由の中身を見てみますと、最も大きなものは人事の問題ではないでしょうか。
4技能習得にシフトしようと思うと、4技能すべてに長けていないと実現しません。
しかし、ご承知の通り、英語の先生全員が4技能すべてに長けているわけではないというのが現実です。
4技能習得のカリキュラムに学校としてシフトしたくてもシフトできないわけです。
でもすべての学校がシフトできていないかと言われるとそうではないのです。
シフトできている学校があるのです。

この差をとらえてよく言われるのは、
●先見の明を持つことの重要性
だと思われます。

確かに先見の明を持つことは重要なのですが、欠点は先見の明を持とうと意識してもなかなかそれを持つことは困難だということです。

そこでこの4技能習得にシフトしている学校とそうでない学校は何が違うのか、
もっと掘り下げてみます。

仮説として、
●流行に流されるのではなく、大事と思われるものを自分たちで特定し、それに向けて学校として注力を始めているかどうか。
という点があるのではないかと思われます。

現時点において4技能習得へのシフトがほぼ完了している学校は、
●まわりの学校が学校の見栄えをよくするような取り組みに躍起になっているときに、
そのようなものに流されることなく、大事なものをみんなで確認し、それに向けて本腰を入れている。
という特徴があります。

何年も前から英語の先生の採用には4技能を念頭にした採用基準でやってこられたわけです。

英会話学校で力をいかんなく発揮された先生を学校に招かれました。
もちろん学校の思いや今後の方針を積極的に披露しそれに共感をした教員が同志に加わったのです。

「リーディング中心の日本の英語教育には課題がある」ということは近年に言われるようになったのではなく、もう何年も前から指摘されてきたことです。

にもかかわらず、そこへの注力をおろそかにしていた学校が大半だったということではないでしょうか。

そのような問題意識をもち、孤高の考え・実践をしてきた学校が今やっと陽の目を見ているというのが実態ではないかと思われます。

先見の明というとテーマは大きいように感じますが、実は当たり前の課題に対して勇気をもって踏み出すということが今求められているのかもしれません。

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