2012年12月21日金曜日

受験生の皆様へ 生徒を伸ばす学校を見極めるポイント



ゆとり教育が撤廃され、その成果が出ているという報道が先日ありました。
公私を問わず多くの学校で学力向上への取り組みは見直しをされています。
その状況下、

●センター試験を研究している
●東大入試を研究している
●板書、スピード、教育ICTの活用、教授内容などの授業スキルの研究

などなど、いろいろな研究やスキルアップを志向しておられる先生は多いと思います。

でも、これを一生懸命にされていながら、生徒の学力が高まっていないケースがけっこうあることに今回は注目したいと思います。

では何が大切なのでしょうか。

上記のような授業スキルや専門領域の研究ももちろん大切ですが、最も大切なのは、

『目の前の生徒の今の学力状況(理解の状況)を知っていること』

なのです。

●目の前の生徒は該当教科のどこでつまずいているのか
●目の前の生徒は応用がきかないのはどういう思考力が不足しているのか
●目の前の生徒は理解が建設的に積みあがっていかないのはどの単元の理解が不足しているのか

などです。

これができている先生は意外なことですが、少数派なのです。
証拠に基礎学力判定テストを実施した結果をご覧になった先生の多くがその結果に驚かれます。
「生徒たちはこのようなことも理解できていないのか」
「このままでは高校の履修内容は積みあがっていかない」
このような感想をもらす先生が大半です。

でも多くの生徒それぞれに合わせた指導というのは一斉授業を行う今の学校では難しいのでは、というご意見もあります。

これについては、生徒のつまずきには共通項があるのです。

●この共通項がどの単元なのかを特定し、そして、きちんと補うことに注力している学校
●そうではないという学校があるのです。

受験生の皆様は、各教科がつまずきの共通項への解決策をもっている学校を探しましょう。

皆様いつもありがとうございます。
クリスマスにかけ、冷え込みが厳しくなるようですので、お体ご自愛ください。


2012年12月4日火曜日

各教科が目指していることを具体的に説明してくれる学校を選びましょう

先日、ある学校でこんな話を聞きました。
●授業を進めるときに注意することとして、生徒が理解していない部分を意識して、説明するようにしている。
●生徒の理解を定着させるために、定期的に「確認テスト」を作成して、その採点をしている。
●でやってみると、生徒の理解状況が「こんなことも理解していないの?」ということに改めて気づかされる。
●こうやっていると、なんとか生徒の成績も上がってくる。
というお話でした。

このような話は結構いろんなところでお聞きします。
ということは、教員は生徒の理解状況を細かくは把握しないで授業をしている、ということになります。

意外と思われるかもしれませんが、案外実態かもしれません。
指導要領などから要請される「やるべきこと」が多く、当然と思われるような対応も十分にはできないのが実態かもしれません。

反対に上記の先生のように生徒の理解状況を把握している先生は、間違いなく生徒の学力を伸ばすことができる先生なのです。

学校説明会などで、
●各教科が今の生徒の教科上の課題をどのように考えているか
●それに対してどのような施策をとっておられるのか
●どのような状態を目指しておられるのか
について具体的に話をしてくれる学校を選びましょう!!


2012年11月30日金曜日

京都大の来春開学の全寮制大学院

本日、京大が秋入学を見送ることが発表されました。
秋入学の動向ももちろん見逃せないですが。
京大の来春開学の全寮制大学院も注目です。
大学の入試制度が変わっていくことで、初等・中等教育の在り方も変わっていってほしいですね。

以下、
毎日新聞 2012年11月05日 の記事http://mainichi.jp/select/news/20121106k0000m040077000c.html 
より抜粋です。

●5年制の博士課程
定員は1学年20人。
アルバイトをする暇がないほどの厳しいカリキュラム
原則として全学生に月額約20万円の「奨励金」を支給。
年間約60万円の学費は学生が負担する。


●京大が新たに提唱する学問体系 「総合生存学」
●人類が生存し続けるために不可欠な地球規模の課題の解決方法を探る。
●文系・理系を問わない。
●入試は小論文や口頭試問(面接)で、学部で学んだ専門知識を踏まえ、自分の将来ビジョンを語ることが課される。
●学生はキャンパス内の寮で生活
●授業なども寮で行われる。
●教授陣は24人(兼務含む)を予定し
●学生個別の目標に合わせたカリキュラムを作成。
●授業はディベート(討論)形式が中心となる。
●また、在学中に海外での留学やインターンシップを義務づける。
以上、毎日新聞 2012年11月05日 の記事より抜粋


大小の組織を問わず、リーダー人材が少ないと言われている昨今、
現代の課題に風穴をあけてくれるような期待のもてる取り組みで、
かつ、本気度が感じられるので大歓迎です。

それにしても、月額20万円の奨励金をいただけるなんて、
私が入学させてもらいたいです~。


2012年11月29日木曜日

生徒の主体性を育む学校を選びましょう

わかりやすい授業が展開されるケースが増えています。
  学力の世界基準からみると近年日本は遅れがみられる
  ゆとり教育の弊害を取り戻そうという動きがある。
  など世間で言われていることが影響しているのでしょうか。
近年は学校でもわかりやすい授業を先生がこころがけることが増えています。
喜ばしいことなのですが、喜んでばかりもいられないという部分もあります。
わかりやすい授業に満足をして、生徒が自ら考える機会が減っているのではないか、という部分です。
必要な単元が多く、それを終わらせるとなると、
 ①生徒が考える、あるいは、
 ②話し合いをする、あるいは、
 ③問題演習をする、あるいは、
 ④発表をする、
という生徒の主体的活動が少なくなります。
そうしますと本当の実力がつくかどうか。
結果はご想像のようになるのではないでしょうか。

学校選びをするときは
  授業外(放課後や長期休暇)の時間をどのように使っているか
という視点も大切なポイントの1つだと思います。

  生徒のためにできることを最大限に実施している学校 と
  積極的に活用する活動が見られない学校
に分かれます。

授業ではなかなか実現できない上記の4つのポイントを積極的に推進している学校を見つけましょう。

2012年11月9日金曜日

中堅教員育成 私立学校の動向調査結果

過日にお願いしていました中堅教員育成に関しますアンケートの集計が完了しましたので、ご報告申し上げます。

現状には謙虚な姿勢で自己評価されておられることがわかりました。
また、今後については教員育成を充実させていくという意欲的なスタンスをみてとることがわかる結果となりました。

http://www.humanlink.info/121107chuuken%20kekka.pdf

意外なことと思われるかもしれないですが、「教員育成をやらないといけない」と本気でとらえておられる(優先的に時間や労力をかける)学校様は案外少ないものです。

そういう意味では、今回ご協力をいただきました学校様は今後よい学校づくりのモデルとなる学校であろうと思います。

私ども仕事がら全国いろいろな方面に出かけ、いろいろな方とお会いします。
そのようなときに微力ながら皆様を陰ながら応援(紹介)させていただきたいと思います。

良い学校が選ばれる学校に。

今後も支援させていただければと思います。



2012年11月2日金曜日

動向調査ご協力のお願い

募集活動や進学実績向上などの領域はその成否を多くの先生が意識されるようになりました。しかしその一方で、変化が見えにくい領域やテーマの重要性を意識されず、その改善や改革を後回しにしている学校が増加しています。例えば、組織運営力に秀でた中堅教員の育成は、重要度がトップクラスでありながらその優先度や具体的な取り組み方については学校間で大きな差異があると考えました。そこで今回は全国の私立学校における中堅教員育成の現状を調査することを目的として本文書を送らせていただきました。ご多用のところ誠に恐れ入りますが、本書の主旨をご理解いただき以下のアンケートにご協力いただければ幸いでございます。ご回答いただいた学校様には御礼として『私学発展に必須な組織活動に取り組もう』と題しました弊社の冊子をお送りさせていただきたいと思います。何卒お取り計らいのほどお願い申し上げます。
株式会社ヒューマン・リンク
代表取締役 稲葉 人司

中堅教員育成に関する私立学校動向調査のお願い(11月2日締切)
http://www.humanlink.info/121031chuukenchousa.pdf

私学経営シンポジウムin広島



10月30日東進ハイスクール講師の河本敏浩先生とコラボレーションで経営シンポジウムを広島で開催いたしました。
中国地方、山陰地方、遠くは、九州からもご参加いただき、たいへん盛況な会合となりました。

●賃金と保護者の教育志向の関係
●大学受験と学習指導要領のお話
●英語科を取り巻く教育環境のお話
●数学科は日本の教育の中心
●国語科に関する言及
●センター試験の問題のあり方についてのお話
●学校での学力向上におけるご提言(私ははっとさせられました)
●実力テスト結果データによる現在の生徒の課題(これは目からウロコでした。)

このような他では聞けない貴重なご提言をいただきました。
河本先生からは宣伝のお話は一切なかったのですが、データに基づく今の生徒の課題を熟知された河本先生を中心に開発された学研MyGAKマイガクは学力向上の切り札になると私は思いました。

ご希望がございましたら、今後また開催したいと思いますので、ヒューマンリンクまでお声をお寄せください。

100日勉強部 受験生へのエブリデイアドバイス
(河本先生のアドバイスを誰でも視聴できます)

学研MyGAKマイガク


2012年8月31日金曜日

【情報】 教科学習に求められていること 東京大学のHPから

今回は、教科学習に関する情報をお知らせいたします。

東京大学のHPの東京大学入学案内のページに

「高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと」

http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_01_18_j.html

というページがあります。

国語・地歴公民・数学・理科・外国語のそれぞれについて、

「高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと」

が紹介されています。

これを読んでいて改めて思いましたのは、

どの教科にもその教科の「論理」があるんだ、ということでした。

上記5教科の各説明にこの「論理」という言葉が使われています。

教科は違えど、求められていることには、共通するものがあるようです。

弊社では
論理エンジン(すべての教科学習の根幹) http://www.ronri.jp/

学研マイガク(英語・数学・国語の3教科) http://www.humanlink.info/mygakseikyu.pdf
という2つの教材を推奨しています。

いずれもそれぞれの教科の「論理」力を能率的に獲得しようという教材です。

ご関心ある方はヒューマンリンクまでお問い合わせください。

2012年8月28日火曜日

学校の雰囲気を一気に変える方法 「できる」「できない」は関係ない?

会議や打ち合わせをするとき、通常は何かを決めるために行います。
学校の学年会でしたら、学校行事を進めるときの仕事の進め方や各仕事の分担やその時期などです。
会議は知らず知らずのうちに、必ずできることを決めていくという形になっていると思います。

これはごく当たり前のことで、必要なことですが、このことをずっと繰り返しているとモチベーションが上がらない場合があるのです。
「必ずやらないといけないこと」なので、「できなかったらどうしよう」などのマイナスの思考につながりやすいからだと思われます。

先日ある学校の夏休みの教員研修にて、全教職員が参加された研修会を担当させていただきました。
「こんなクラスが最高!!」というテーマで5・6人のグループで先生方に話し合っていただきました。
各グループでまとめていただいた内容は以下の通りです。


●それぞれがナンバー1、オンリー1をめざすクラス、卒業後集まれるクラス
●帰属意識が持てるクラス(担任の思いが伝わる・居場所がありリラックスできる・リーダーシップのある生徒がいる・適度な緊張感がある)
●声を掛け合えるクラス、行事で一つになれるクラス
●男女の仲が良いクラス(男女比2:1)、生徒に任せられるクラス、保護者との連携が上手く取れているクラス、最低学力を有している生徒群、担任を持ちたいという先生が持つクラス
●個性豊かでそれぞれが活発に行動し、あとで生徒が「良かった」と思えるクラス
●生徒がキラキラしているクラス(それによって教員もキラキラする)
●枠にとらわれず、大人の発想を超えるクラス

いかがでしょうか。
私はすごくいい話し合いがなされたなあ、と思います。
この学校の先生からも
「いい話し合いができて、みんなが積極的になれて、本当に良かったです。ありがとうございました。」
とご感想をいただきました。


どうしてこのような話し合いになるのでしょうか。
それは「やらなければならない」などを前提としていないからではないでしょうか。
すなわち「できる」「できない」を各人の思考から完全に排除して話し合うと、思考したり話し合ったりすること自体が本当に楽しくて充実します。
さらには、参加メンバー間の関係性が「必要なこと」を「楽しく目指す」という関係に生まれ変わります。
「目標を決める会議をします」としてはじめられた会議ではなく、「前提を排除した話し合い」をした方が本物の(本気の)目標が生まれやすいことを示唆しています。
この学校様でも「こんなクラスが最高!!」というテーマで話し合いましょうということでスタートしましたが、話し合った後は「こういう学校づくりをしたい!!」に変わっていったのです。

極論しますと、改革の重要ポイントは、「どういう実績をこれまで出したか」ではなく、「今自分たちは何を目指して、どういう関係性にあるか」ではないかと思うのです。

だから、改革は実績が出るまで成否がわからないと言われることが通常ですが、われわれヒューマンリンクは違うと考えています。

改革の成否は、今この瞬間にメンバーが気付きをもったか、にあると思います。

さらには、構成メンバーが何を目指しているかを他の構成メンバーが共有しているかにあるのではないでしょうか。

せっかく研修をやるのであれば実のある研修をし、一気に学校を変えていきましょう!!


2012年8月24日金曜日

実り(革新)の秋 日常から離れて日常を見直す

ロンドンオリンピックでは選手の活躍とメッセージから感動的な毎日を送りました。
私としては、個人競技の団体戦での成果が特に印象に残りました。
競泳のメドレー、サッカーの男女、フェンシング、卓球など。
やはりチームとなったときに、あるいは、仲間のために、となったときに想像を超えたことを成し遂げるのではないでしょうか。
教育や組織づくりにおいても、これからのキーワードはやはりチームなのではないでしょうか。

が、オリンピックが終わると同時に、話題は領土問題に変わってきました。

お盆で帰ってこられた死者の霊は今の日本をそして世界をどのようにみておられたのでしょうか。
亡くなられた方の死を無駄にしてはいけないとつくづく思う今日このごろです。

弊社もがんばって毎日を送りたいと思います。

直近のイベントでは、
9月 授業アンケートで授業改善を実現するセミナー
http://www.humanlink.info/1209jugyouseminar.pdf


9月 私学経営マスター講座 管理職がおすべき生徒募集のツボ
http://www.humanlink.info/1209keieimasterboshu.pdf

などあります。

ぜひご参加ご検討ください。
京都では、夏の終わりとされる五山の送り火が終了して1週間が経ちましたが、まだまだ暑い日が続いております。
皆様もご無理なさらないようお体ご自愛くださいませ。

2012年8月10日金曜日

2012夏期教員研修 今をじっくり味わいながら将来に備える


お盆の時期になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
ご実家に帰省される方も多いかと思います。無理をせずじっくりと今年の夏を味わいたいものです。お気をつけてお過ごしください。

さて、この8月はご依頼いただいた学校様内で実施する研修会が目白押しです。

担任講座、授業アンケート結果分析報告(研修)会、中堅講座、課長研修、生徒指導研修会など、九州から東北まで様々な私立学校様よりご要請をいただいております。学校により優先課題は異なります。その課題ごとにテーマを設定して研修を行うことは大切です。長年の組織の風土なのでしょうか、同じ学校の人が研修という形で講師を務めて教育的なノウハウやスキルを後輩教員に伝えていくことに抵抗を感じておられる学校はまだまだ数多いと感じます。教員はみな立場が同じという古くから学校に根付いてきた考え方からきているのです。また、教員自身の問題や課題を掘り下げるような弊社が企画する研修については、求められる学校とそうでない学校とにはっきりとわかれる傾向にあるように感じます。また、管理職が求めてもその学校の管理職以外の教員は求めていないというケースも数多くあります。これが現実だと思うのです。

そのような中でも今回のようにご要請いただく学校があります。抵抗があっても揺るがない筋の通った学校であり、間違いなく抜きんでた学校です。今はまだ大きな成果を獲得されていなくても、将来必ずや社会をリードする成果と実践を展開される学校だと思うのです。

その中でも、過日ある学校で行いました「担任講座」にご参加の先生からのアウトプットをご紹介いたします。
○今後予想される問題について、(教員間で)共通認識を持つことができました。
○生徒に対して粘り強くしつこく教えていくことが大切だと思います。
○自分が経験を重ねる中で忘れてしまっていたことや自分の考え方のクセが他の先生方と話す中から気づくことができた。
○教員が「こういう生徒になってほしい」というビジョンを持つことが大事だと気づいた。ただ思うだけでなく「こういう生徒になってほしいんだ」という気持ちを伝えることが大事。また、どういうクラスにしたいのか生徒と話し合う。

このような感想を残されました。
上記以外にもたくさんのご感想をいただいております。

物事の問題を考えるとき、
●自分以外の問題点に注目してしまう
●自分で、一人で、解決しようとしてしまう
ということはよくあることです。
ほぼ無意識のうちに上記のようになってしまっているのです。
私(筆者)も実はそうなのですが。。。

しかし、今回ご参加の先生方からは
●先生ご自身の課題に着目されている
●教員が共同で生徒にあたろうとされている
このようなご感想を数多くいただきました。

明確にされた意図で、実現したいテーマで、時間や参加者などを設計すれば、本当に良い研修会になるということを学びました。

ご要請いただきました管理職の先生、それから、ご参加された先生方に改めて御礼を申し上げます。

教員研修をお考えの方は、ヒューマンリンクまで一度ご相談ください。 

  

2012年8月3日金曜日

中学受験・高校受験をお考えの皆様へ 学校選びのポイント③

先日、首都圏の学校に訪問しました。生徒募集の話をお聞きしました。

今年は公立高校の定員を増やすことが決まったとのこと。
今はどの都道府県も公私の学校を問わず生徒募集に真剣です。
通常は子供の数が少なくなると公私の学校ともに定員を減らそうとなります。
が、この都道府県では公立の定員を増やすというのですから、反対のことになっているようです。 公立高校の定員を増やすことの理由として言われているのは、経済不況だから授業料無償の公立高校の枠を増やすのが世の中のためになるというのです。

一見良さそうに思いますが本当にそうなのでしょうか。

生徒をあまり伸ばしていない公立が無償という理由で選ばれることがおこっています。
反対に、努力して生徒を伸ばしている私立が正当に評価されないことがあります。
このようなことが続きますと、良い教育をしようという気持ちが教員に芽生えにくく、教育界全体が活性化しないのではないでしょうか。

このことを証明することがすでにあります。

数年前、大阪は行政が経済負担することで私立も無償となる範囲が大きく広がりました。その年度に「生徒を伸ばしている私立」は入学生徒が大きく増えました。

このように考えると経済的に同じ条件にすることが良い教育をすることにつながっていくと考えられます。
今はどの学校も生徒募集に熱心です。
だから、生徒にきてもらうことを考えると、「どのような取り組みをすれば子供たちは可能性を広げることができるか?」などを考えることを促す仕組みといえそうです。

しかし、現状では残念ながらそのようになっていません。

受験生を持つご家庭の皆様は考えなくてはいけません。
無償だからといって安易に学校を決めないことです。
お子様のことを真剣に考えて伸ばしてくれる学校はどこなのかを見極めなくてはいけません。
公立私立を問わずまっさらの目で良い学校を見極めましょう。

お子様の将来を見据えて可能性を本当に伸ばしてくれる学校なのかを見極めてください。

●生徒が伸びているというデータが示されているか。
●伸びている理由となる学校としての取り組みが存在しているか。
そして最も大切なこと、
●その学校の先生方の表情がいきいきと充実しているか。

授業料が無料ということに注目するのではなく、本当に良い学校選びをしましょう。

そうすることで、教育に、社会に、貢献しましょう。

わかっている我々から、できることから、はじめてまいりましょう。

2012年7月27日金曜日

中学受験・高校受験をお考えの皆様へ 学校選びのポイント②

以前より弊社の学校経営勉強会にご参加いただいている教頭先生よりメールをいただきましたので、それをご紹介しながら、学校選びのポイントについてコメントいたします。


以下、教頭先生の文書 と(→箇所はヒューマンリンクのコメントです)


貴社の「生徒募集実践マスター講座」に参加した●●先生が、良い刺激を受けて帰ってきて、7月初めの「第1回学校見学会」の全体ガイダンスで、「私の授業を紹介します」ということで、パワーポイントや動画を駆使し、約10分熱弁をふるってくれました。


  →
  ●『現場の先生が熱心に自分の授業について語る学校』と
  ●『カリキュラムや行事やクラブなどの通り一遍の説明をする学校』と
  ではどちらに注目がいきますでしょうか。
  もちろん現場教員が熱心に語る学校ですよね。
  受験を控えた方は、学校に足を運び、学校のことや授業のことについて
  語ってくれる学校を探しましょう。


昨年度までは私がパワーポイントを使用して話すだけでしたが、「今年からは是非若手の先生に自分の授業を紹介してもらう」という私の提案に、彼女が積極的に応えてくれて実現しました。


  →
  ●上司にあたる先生からの提案に積極的に応える先生がおられる学校を探しましょう
  ●この学校のように管理職と教員との関係性が優れた学校は、生徒間・教員-生徒間
  の関係性が優れたものになります。つまりは、いじめなどの行為が  浮き彫りにされ
  るので、当然ながら改善の手立てが早いものです。


学校見学会の参加者にも、本校の先生方にも非常に評判が良く、第2回以降も続けていこうと考えています。次回には彼女の同期にも登場してもらうとも考えています。


  →
  このように「勇気をもって踏み出す」行為は引き継がれやすいものです。
  良い活動が循環していますね。好循環している学校を見極めましょう。


また、セミナーから帰ってきてから、本校のHP作成にも積極的に取り組んでおり、自分のアイデアで内容を変更したりしていますし、この時期の中学校訪問は例年、ベテラン3名で行ってきたのですが、私が校舎の改修工事等で忙しいことがわかり、4校だけですが私の代わりに中学校を訪問してくれました。


  →
  余裕がないときなど、仕事を助け合うのをついつい忘れてしまいます。
  が、この先生の助け合う姿勢をお聞きして、自分にもモチベーションの高まりを覚えました。
  でも、教員間がどういう関係なのか、外部の人間にはなかなか見えないものです。
  どのように見極めていくか、今回の最後のところにまとめました。


彼女の持って生まれた性格等もあるとは思いますが、「セミナーは難しかったけれど、これだけはわかりました」と教務室全員に報告書配ってくれ、それを見ても、その後の彼女の活躍を見てもセミナーが良い刺激になったと思っています。
セミナーに思い切って参加させて良かったです。これからも機会をみて、積極的に若手をセミナーに参加させていけたらと考えています。今後ともよろしくお願い致します。


  →最後は、ヒューマンリンクのセミナー(講座)を持ち上げていただきました。
  本当にありがとうございます。


<今回の学校選びポイントまとめ>
この学校のように現場教員が学校のことを熱く語る学校が意外と少ないのが現状です。
ですので、外部の人間が学校の中のことを知ることは難しいものです。
しかし、学校選びをするときには、中身の雰囲気を感じ取ることが大切です。
学校からの説明がない場合はこちらから質問をしましょう。


例えば、
「今年1年で最も印象に残った学校での出来事は何ですか?」
「現場の先生がお話をされるイベントはありますか?」
「学校を変えていこうという提案が学校内であった場合、提案をうけた側の先生はどのように受け止められますか?」
「管理職の先生と現場の先生との関係について教えてください。」
「管理職の先生と現場の先生との関係にまつわる興味深いエピソードがあったら教えてください。」
「余裕をもって日常業務にあたるのが難しいと言われていますが、貴校では具体的に工夫されていることはありますか。教えてください。」


学校選びに大切なのは、「進学実績」や「教育システム」だけではいけません。
教員の心構えと毎日の実践がどのように営まれているのか事前に知った上で判断してまいりましょう。


学校選びに困られたときなどは、ヒューマンリンクにメールでご相談ください。
ヒューマンリンクの推薦校(私学/全国)をご紹介できるかもしれません。



2012年7月20日金曜日

中学受験・高校受験をお考えの皆様へ 学校選びのポイント


  ほんの少し前までは、授業は各先生の聖域だった。
  他の人は踏み入れることができない領域というのがあった。

先生が世間一般の人々から先生が尊敬されていたから成り立っていた状態ですよね。

今でもそういうのは大半の学校で残っているのではないかと思うことがあります。

近年は授業参観やオープンデーなどといって、学校や授業を開放する機会が増えました。

しかし、生徒へのかかわり方がなんかおかしいと外部の人間が思っても、あるいは、それを学校に伝えても、思ったようには改善が進まないということを多くの方がご経験されているのではないでしょうか。

こういうことから考えると、
まだまだ授業や指導の仕方などは各先生の聖域に近い状態になっているのではないかと思うのです。

でも本来は、保護者や現代社会から要請されるニーズにこたえることをやり、その上で、各先生のキャラクターや持っている資源で生徒に付加価値を提供することが必要ですね。

しかし現実は、世のニーズへの対応力がこころもとなく、これまでやってきたことの踏襲型であればなんとかやれるという学校が多いわけですね。

だから、ニーズにこたえることはかるくクリアしようと思っている先生が多い学校はいい学校なのです。

先日ブログで紹介しました授業アンケートhttp://bloghumanlink.blogspot.jp/2012/07/blog-post_18.html
をして生徒からの生の厳しい声を真正面から受け止めて課題を解決していくこともごく当たり前のこととして、実践している学校はいい学校なのです。

授業アンケートをやっているという学校はたくさんあります。
が、その中身は学校間格差がとても大きいのが現実です。

受験を控えた方は、オープンスクールや説明会に参加されたときに、授業アンケートの結果をどのように直視しどのように対策をしているかをしっかりとチェックしてみるというのは一つのアイデアだと思います。

あるいは、そこまで細かくヒアリングしなくても、
●世間からの厳しい声を真正面から受け止める姿勢がどれだけあるか
●世間からの意見を軽く超えるような実践をする姿勢がどれだけあるか
という観点から学校をみていくと、本当は見えない大事なことが見えてくると思います。



2012年7月18日水曜日

学校における授業アンケートの意義を想い起こす

過日に私立学校の皆様にお願いしましたアンケートの結果をご報告申し上げます。

●授業アンケート動向調査ご報告
http://www.humanlink.info/120718kekka.pdf

また、今回は埼玉の淑徳与野高校にて26年間校長をされた川端幹雄先生ご執筆の「私学経営実務シリーズ⑤」より抜粋文書をご紹介いたします。ご参考ください。
『授業のブラックボックス化』を防ぐには授業アンケートが有効であると力強く述べておられます。

●川端先生からのご助言
http://www.humanlink.info/120718kawabatateacher2.pdf

●今回の調査結果の考察
A.授業アンケートの実施状況についてでは、「学校全体で実施している」と回答している学校が、全体の73.8%となりました。  ヒューマンリンクの予想では、「1部の教員が有志で実施している」に回答が多いではないかと予想していましたが、この点  弊社の予想よりも「全体での実施率」は高かったと言えます。

 B,学内システムか、外部機関か?についてでは、「すべて学内で実施している」と回答する学校が全体の65.1%となりました。  学内の取り組みでやっていこうという学校が多い一方で、外部機関を利用される学校が35%あることもまた事実です。

 C.授業改善の有無(学校自己のご評価)についてでは、「改善数値がでている」約50%「改善数値が出ていない」約47%となり  成果への自己評価は2極化していることが明らかとなりました。

 D.授業アンケート今後に向けてのお考えについてでは、「現状のままでいこうと考えている」が、25%にとどまりました。  なんらかの形で改善を進めたいというご意向の学校様が多いことがわかります。

2012年7月14日土曜日

祇園祭で京都はにぎわっています

京都の夏の始まりを告げるのが、祇園祭。
863年疫病がはやり無病息災を祈念して始まったとされる。
健康な体あっての日常生活。
あらためて感謝をし、今年の夏を迎えたいと思います。


皆様、京都にお出かけの際には、お声掛けください。
京都の街並みを散策しましょう!!
アイデアが浮かぶかもしれません。


2012年7月12日木曜日

皆様 迅速なご対応 ありがとうございます!!

昨日、私立中学高等学校の皆様に、
「授業アンケートの動向調査についてのアンケートのお願い」
http://www.humanlink.info/120712onegai.pdf
というものをファックスさせていただきました。


11日の水曜日に学校に到着して、12日の本日は2日目になります。
まだ1.5日しか経過していませんが、すでに30校以上の学校様から回答のご協力をいただきました。
ご多用であられる中ご協力いただきましてまことにありがとうございます。感謝申し上げます。


回答いただきました学校の皆様には、
弊社の冊子『授業評価の効果的な進め方―実践ノウハウ編―』
を無料進呈させていただきます。
しばらくお待ちください。


なお、このアンケートの締切は、今週金曜日13日となっております。
授業アンケートのリニューアルや改良などをお考えの学校様はぜひアンケートにご協力いただき、この冊子をお受け取りください。
冊子の最後に弊社サービスのご案内も掲載しておりますが、それ以外はすべて学校内での実践に言及するものになります。貴校内で行われている授業アンケートシステムのリニューアルにご参考ください。


<本冊子の目次>
第1章 何故、授業評価が必要になるのか
第2章 授業評価を導入する「メリット」は何か
第3章 授業評価を成功させる5つの条件
第4章 授業評価アンケートの作成方法
第5章 ヒューマンリンクの授業評価システム





2012年7月10日火曜日

保護者の皆様との信頼関係づくり 教員研修会

近年は、在校生の保護者の皆様との信頼関係づくりを研究される学校が増えました。
学内で研修される場合もあるのですが、弊社にご依頼いただく場合も多くりなりました。


このような研修への第一印象としてよく言われることに、「スキルを学習してもそのスキルを駆使することはできないのでは。」という内容があります。が、実際は、スキルを駆使する必要はなく、まずは大切なことは何かを改めて認識することが大事になります。心構えとかこれだけは守る実践を認識することではないかと思います。


自分自身がその場の局面に立ったときにも、あのとき研修で大切なことを確認したな、そのことを守ればなんとかなる、などを想い起こしながら、一度失敗しても挽回がきくことがポイントのように思います。


先日学内で実施しました学校様は、義務化されていない有志に任された研修であるにもかかわらず、20名の先生がお集まりになり、講義と演習に前向きにお取り組みになられました。
ご参加の先生方からアンケートをいただきましたので、以下ご紹介いたします。


1)
●先生のご感想
①基本は親を信じる(親の気持ちになれるかどうか) ②親のバックアップあっての生徒 ③一人でかかえず、連携をとる!


○ヒューマンリンク感想
親を信じると書かれています。クレームがあるとついつい親を敵対視しがちですが、親を信じることの大切さを再確認されています。
また、一人でかかえず連携をとる、と書かれています。自分でなんとかと考えてしまいがちですが、教員も組織でみんなで課題を解決していこうというこの学校の良さが出たコメントだと感じました。


2)
●先生のご感想
①改めて学校は特殊。「権力」がどこかにあって、そのことが教員には当然になっている  ②クレーム=宝ととらえる ③一人でやろうとしない ④本校、先輩教員からのレクチャー不足(学校の組織力の弱さ)  ⑤授業以外での取り組み、プロ意識。


3)
●本来は、学校と保護者は頻繁に連絡を取るものではなく。教師と生徒の信頼関係を作るのが第一で、生徒を通して学校の様子を知ってもらったり、担任の指導方針を理解してもらうものだと思っていました。本校は親切すぎる(甘やかしすぎている)と感じていましたが、時代の流れや本校の方針を受け入れなければならない。


こんなように熱心なご意見や気づかれたことなどをたくさんいただきました。


やはり先生方も常に指導の最前線ではなく、たまには一息入れて振り返ることが大切なのだと実感されておられるようです。


7月には東京と京都でセミナーを開催します。
私学経営マスター講座VOL①
「保護者対応力を磨ければ、保護者のクレーム(意見)は追い風となる」
http://www.humanlink.info/120701hogoshaDM.pdf


私学経営マスター講座VOL①~⑤
http://www.humanlink.info/120701seminarscheDM.pdf


ご参加お待ちしております。

2012年7月6日金曜日

最後に残る(受け継がれる)のは「想い」と「実践」

たいへんお世話になった先生が5月にお亡くなりになったことを今日お聞きしました。


感性が豊かで見識のたいへん深い先生であられました。
学校のさらなる発展に多大な貢献をされ、地元地域の方からも愛された先生でした。
先生の純真で熱い想いが感性と見識を稀有のものにしていったのではないかと私は勝手ながら想像します。
私どもの研修の講師としてお願いしようと思っていたのですが、それが果たせませんでした。
でも、そのご見識と示唆に富んだお話を先生のブログにみることができます。
教育に携わるもの(教員、親)すべてが持つべき「心構え」「感性」「実践」がここにはあります。


井上需弌先生 校長のブログ
http://seiko-top.jugem.jp/
より、以下に1話だけ転載させていただきます。
ブログを始められた最初のお話です。



鶴になった男の話
  ずいぶん前の話なりますが、転寝から覚めると、「鶴になった男」というNHKのドキュメンタリー番組が放映されていました。「鶴の訪れる村で、親鳥に見捨てられた卵を拾い、男はそれをまるでわが子のように慈しみ育て上げて自然に返す」という話なのです。つい見入ってしまい、何とも言えない感動と同時に、たくさんのことを考えさせられ、教えられました。
 この「鶴になった男」は、孵卵器で卵をかえすとき、卵のどの部分にも均等に熱が行き渡るように、卵に印をつけて三分の一ずつこまめに向きを変え、夜も眠らないでかかわり続けていくのです。これは「転卵」と言われる行為なのですが・・・。実は野生の鶴は、自分のくちばしでそれをやっているのです。一つの生命を生み出し、育てていくために自然が与えた知恵と言えばそれまでですが、こんなところから子育ては始まっているのです。やがて、卵の中でひな鳥が育っているのが確認できると、殻の外から声をかけ、やさしく話しかけます。そうすると、驚いたことに卵が話しかけに応えて動くのです。
 そう言えば、人間もおなかの中の子供に声をかけ話しかけるとよいということを聞いたことがあります。これも、子供を健やかに育てる第一歩と言えるのでしょう。
 「鶴を育てる男」は、やがて成鳥になるまで鶴の親がするのとまったく同じように、餌の食べ方・とり方を教え、歩くことや危険を教え、飛ぶことを教えるといった具合に、絶えず成長に応じてかかわり続けていくのです。そして、ひな鳥もそれに見事に応えていくのです。こうした営みが少しでもいい加減になると、ひな鳥はたちまち死んでしまうからです。
 飛ぶことができない人間が、ひな鳥に「いいぞいいぞ!」「そうだそうだ!」など、ひたすら声をかけ、汗だくになりながら両手をまるで翼のようにして走る。ひな鳥はその真似をして男の後を追いかける。これを幾度となく繰り返しているうちにやがて鶴は大空へと舞い上がる。胸が詰まる何とも心打たれる寝覚めのひとときでした。



井上先生、ご冥福をお祈り申し上げます。



募集の原点 「選んでもらう」「出来ることはすべてやる」

数日前、NHKの番組プロフェッショナルをみていましたら、マグロの一本釣りの漁師さんでした。
再放送なので今回見るのが2回目です。


HHKプロフェッショナル仕事の流儀【山崎倉マグロ漁師一本釣り】
http://topicsnow.blog72.fc2.com/blog-entry-1245.html


過去には何年もの間、マグロがまったくあがらないということもあったそうです。
水温や潮の流れなどが影響しているのでしょうか。
自然が相手なので、どうなることはわかりません。
マグロがあがらなければ収入はゼロ。
それでも、マグロ釣り一本で生計を立ててこられた方でした。


またすごいことをおっしゃるのです。


マグロを釣るのではなく、
マグロに選んでもらう
そのために
出来ることはすべてやる


謙虚さを表現する究極の言葉だなあと思いました。


そして、この現代においては、学校にもあてはまることだな、と思いました。


生徒や保護者に選んでもらう
出来ることはすべてやる


こういう学校があれば、集まること間違いないでしょう。


けれど、組織になるとなかなか「すべてやる」のが難しい場合があります。


「出来ることはすべてやる」の主体は、【学校】であるのが理想であるけれど、
現実的には、【先生(大人)個人】から始めることではないかと思います。


1人の先生(あるいは、関係する大人)が
マグロを釣るのではなく
マグロ(生徒・保護者・地域)に選んでもらう
そのために
(個人で、できる仲間内で)出来ることはすべてやる


これであれば、誰でも始めることができます。


さらには、日本には助ける文化があります。
懸命にやっている人と一緒に為になることをしたい、
というのは普通の感情だと思います。
周りの人が一緒にやるようになると思うのです。


そして最後に、わたし自身このような謙虚さに胸をうたれました。
そして、自分のクロダイ釣りもこれでいこうと思いました。(笑)


クロダイに選んでもらう
出来ることはすべてやる


実行する物事の量は多くなるけれど、モチベーションが上がります。