2021年6月3日木曜日

「大問題」なのに「仕方ない」になっていないか

 昨年のコロナが落ち着いていた季節に、ある先生とお食事をしたときの話です。

私学の合同説明会のようなイベント会場で、その先生が別の学校(B校とします)の先生をみて思ったそうです。

「うちの学校はすごいんだから、本校に関心があるのは当然だよね。」という無言の圧がすごかったそうです。

順番を決める際や学校間で協力する際に、自分たちが優先されるようにまわりの意向を聞かずに進めて行かれた、ということでした。

もちろん、保護者や受験生にはそのような高圧的な態度はとられなかったようですが、学校同士のやりとりのときにそのような印象だったようです。

圧がすごすぎてあまりよい印象ではなかったそうです。

私もその話を聞いて、確かにそのB校はまったく知らない学校ではなかったので、そのような雰囲気があるというのは確かにそうかもしれないと思ったのでした。


が、後で私はその話でそのB校の印象を決めてしまうのは違うなと思ったのです。

その学校は進学実績をすごく伸ばしているのです。

話を聞いたときはあまり強引なことはしてはいけないと私は思っていたのですが、後で思ったのは、そのようなマイナスの側面ばかりではないかもしれない、ということでした。

それはその強引ともとれる生徒募集の姿勢は、その学校やその学校の先生の本気度の表れではないか。

生徒を伸ばすことに手段を尽くしている学校が近年少なすぎると思うのです。

(近年は特に忙しさが増しているので、手を抜いている学校はありません。むしろ多忙感は近年増している学校が大半でしょう。が、偏差値など学力に関するデータがそれほど上がっていなくても、大問題として、「このままでは本当にまずい。」というような危機感をもって対処している(学力があまり向上していないという問題が解消されるまで改善を継続する)学校はあまり見かけないかもしれない、という意味です。あるいは、改善の意識はあるけれども、その問題解決は次年度以降に繰り越しで、永遠のテーマになってしまっている感がある、という意味です。)


そのB校は

「本気で生徒を伸ばそうとしているのは本校以外にあまりない。」

という説明を学校説明会などで熱弁されているらしいというお話しを聞いたこともあります。

確かに今の多くの中高の現状を鑑みれば、そのB校の主張は嘘ではありません。

むしろ、真実を言い得たものかもしれません。


なので、目立つ学校のことは批判しがちになってしまいますが、批判の気持ちを持ちそうになったら、何がその学校を際立たせているのかそこから学ぶことはないだろうか、立ち止まって考えてみるのも大事なのかなと思った次第です。


気配りができ、かつ、実績を大きく伸ばす、学校づくり

これを目指したいものです。


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