授業改善の事例で多くの先生が知りたいとおっしゃるのが数学につ いてです。
そこで関東圏のある中高一貫校で授業改善に取り組んでいらっしゃ る先生にお話を伺いました。
東大、早慶上智の進学実績を持つ進学校での事例です。
赴任したばかりのころは、非常に生徒が元気で、 文化祭などはとても盛り上がったということです。
他の進学校でも同じような雰囲気だったという話を伺います。
一方で、生徒は自律していて、 自分達で勝手に勉強するという雰囲気もあったようです。
今はもう少し落ち着いた雰囲気ということです。
予備校や出版社が行う研修会によく参加する教員が多いとおっしゃ います。
以下、 簡単ですがいくつかの授業技術についてお答えいただいたことを紹 介させていただきます。
○発問
わざと間違えたり、 不十分なところを残して生徒からの指摘を待ったり、
と多くの先生がするようなことをしている。
ただし、中学生に対しては言葉遣いを意識する。 こちらの意図が伝わるように指示を丁寧にする。
高校生になるとそのへんがわかってくるので細かく言わずにすむよ うになる。
○授業スタイル
中1では規律面をしっかりする。授業を受けるのが当たり前、 というように理解させる。
つまり、こちらがいろいろと工夫しているよ、と見せたり、
興味を引くような工夫を前面に出すようなことはしない。
そうすると、それが当たり前になってしまい、 その後の学年で大変になる。
中1では、実際は工夫をたくさんするが、その工夫をしている、 というのを生徒が感じないようにする。
つまり、勉強は自分のためにするのだ、ということを理解させる。
○ノート
ノートをとることに集中しすぎるな、という。
それよりも説明する「ことば」に耳を傾けて、 理解することが大事。
○つまづくところ
つまづいても、基本は考えて自分で答えをだすことを奨励する。
教科書の最初のページのような概念を説明するところは、
どうあがいても生徒では理解できない部分があるので説明するが、
問題についてあれこれいうことはあまりしない。
解説はきちんとするが。基本的に突き放す。
小道具も本来であれば生徒が自分で工夫しないと学力が伸びないと 思っているので多用しない。
○理解把握
中学や高1はとにかく机間巡視。 その場でわからないところをなくす。
またできる生徒に他の生徒を教えるように指導する。
学力が低い生徒には丁寧に対応する。
いかがでしょうか。
つい、丁寧にやってしまいたくなるところを抑えて、
生徒の力をつけるために何が必要かを上位目的とする。
その大切さを気づかせていただきました。
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