2018年1月26日金曜日

走りながら考える

以前サッカー日本代表の監督をしておられたオシムさんが掲げておられました。
「走りながら考えよ!」

今日私が思ったことは、これは学校でもいえるなということです。
今もいろいろな学校に訪問させていただくのですが、私への対応が大きく二つに分かれるのです。

それは、
●今取り組んでいることや関心のあることについて、いろいろとご紹介いただく学校と
●地元以外の日本全国の教育界を取り巻く状況や成功している他校や他の先生の情報について質問をして、私が紹介する他校の話をじっと傾聴いただく学校
の2つです。

私はどちらの学校も非常にありがたい学校です。

ご紹介いただく学校からは私にとって貴重な情報を得ることができます。
一方、傾聴いただく学校では自分がもつ情報にどれだけ価値があるかを確認することができます。
いずれの学校も、訪問すればするだけ、自分のレベルをワンランク上げてくれるものです。
本当にありがたいです。

が、今回は、学校にとってはどうであろうか、という話です。

いずれの学校とも、それぞれすばらしい特徴を兼ね備えた学校なのですが、長く学校価値を向上させ続けている、もしくは、生徒募集において長く安定的に右肩上がりで学校にとって望ましい生徒を集めている、という視点でみると、私はすごく意外だったのですが、圧倒的に後者の方に軍配が上がります。

話を聞かれただけであまり実行に移せない学校は別ですが、実行に移している学校はランクアップしています。

その学校の中にはもともとなかったアイデアを自分のものとして実行に移すのは高い柔軟性がいりますし、大きなエネルギーもいります。この柔軟性というのは学校の先生にとってはハードルが高かったりするようです。自分が思う分野やアイデアについては、イメージがわきやすいが、もともと自分にはなかったものを自分のものにするのはあまり得意ではないと言えると思います。この柔軟性をもっているかどうかが分かれ道ということを示しています。

そして、もう一つここで言いたいことは、先の2つの学校の後者よりも前者の学校の方が圧倒的に数が多いということです。これは、『聞くスタンス』、そして、『自分の課題について自己点検を深めたいというスタンス』の不足であろうかと思われます。これは学校の将来を占うものです。入学してくれる生徒の数に直結しています。

自分が考える良いと思うことに向かって実践し(邁進・走り)ながら、自分のイメージにはないところに何か新しい突破口やヒントがあるのではないかと日頃から「考えて」いないと、他校の実践を嬉々としてヒアリングするというスタンスにはならないと思うのです。

ただ走っているという状態は、知らないうちに周囲に流されてしまっている状態に近いのです。
例えば、
・考える授業の大切さが叫ばれ、それへの転換はできているが、少し進学実績が下がっている。
・生徒の主体性の大切さが叫ばれ、それへの転換はできているが、生徒の学習時間が少なくなっている。
これは大事なことを見失っています。大事なことを自ら学校が考えそれを押さえてこなかったことが原因です。

●やることはやっていることで満足をしてしまっている。
●こんなに忙しく仕事をしていることで大事なことをなんとしてもやるという厳しさをどこかにおいてきてしまっている。

このような学校はこの数年で実はかなり多くなりました。

だから、ただ走るのではなく、走りながらこのままで大丈夫なのかどうかを点検する(振り返る・考える)という意識がとても大事になっているのではないかというお話でした。

ついつい見逃してしまっているようなポイントについて思いなおすための
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思いついたことをきちんと実践に移していくのに鍵をにぎる中堅教員育成のための
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なども
ご参考いただければと思います。

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